野菜の価格高騰から学ぶ
野菜価格が高騰しています
雨不足により野菜価格が高騰しています。
なぜ、価格が高騰するかは需要と供給の関係で決まります。
雨不足により野菜の生育が悪く、出荷量が少ない、つまり、供給量が減少しています。
しかし、雨不足だからといって消費者が野菜を食べなくなることはありませんので、需要量は減少しません。
その結果、需要過多・供給過小となり、価格が上昇します。
中小企業経営に置き換える
あなたの会社の取扱品目の需要と供給のバランスはどのような状況でしょうか?
もし、価格競争が激しく値下げ合戦になっているとしたら、少ない需要に対して供給量が多いのではないでしょうか。
消費者の立場に立ってみると同じような商品が複数ある場合、最も安い商品を購入することは合理的ですよね。
例えば、家電量販店では店頭価格とネット価格を比較されてしまい、より安い方に消費者が流れてしまっています。
ここで大事なことは「同じような」商品を「同じように」扱うかどうかです。
ただ単に家電製品を販売するだけであれば、店頭販売とネット販売は価格のみで比較されてしまいます。
そこで、取扱商品を変えたり、扱い方を変えたりすることによって、単純な価格競争を回避します。
取扱商品を変える
商品を販売する小売業の場合、同じ商品を扱う限り、商品の性能等は当然同じですので、価格の重要性が増してしまいます。
そこで、競合他社が取り扱わない商品を取り扱うことにより価格競争を回避します。
極端な例としては、骨董品などを扱う古物商は、基本的に一点ものを取り扱うため、他社と価格比較されにくくなります。
商品自体に希少性があると供給量が少ないため、一定の需要量がある限りは、価格競争を回避できます。
ただし、マニアックな商品であることが多いため、市場に需要がそもそもあるのか、あるいは潜在需要を掘り起こすことができるのかといった別の課題があります。
商品の取扱い方を変える
取扱商品はそのままで価格競争を回避するには、その商品の購入に至る過程にヒントがあります。
例えば、消費者は家電製品を選ぶ際、必要とする機能、商品のデザイン、既に持っている製品との互換性や現状のライフスタイル等を考慮したうえで、検討材料の一つとして価格比較を行うものと思います。
しかし、全ての消費者が家電に精通しているわけではなく、どの製品が自分にとって一番良いのか分からない場合もありますので、家電のプロ(販売員)のアドバイスを必要とする方もいます。
ここで、着目すべきは、商品はあくまで「同じような」商品であって、「同じ」商品ではありません。
したがって、その商品の違いを消費者に気付かせること、または、その消費者の使い方に最も適した機能を伝えることは、自ら能動的に商品を探すネット販売では難しく、対面販売でコミュニケーションを取ることにより為せる業です。
その消費者がホントに欲しい製品(機能?デザイン?など)は何なのかをコミュニケーションしながら聞き出し、提案することが販売員に求められます。
さらに、家電に精通していない消費者にはとりわけ、アフターフォローが重要です。
アフターフォローについては、また別の機会で取り上げたいと思います。