仕事だけが人生じゃない
仕事だけが人生でしょうか
中小企業の経営者には、「仕事がすべて」「仕事以外にすることがない」と言い切る方がいます。
仕事にやりがいをもって、一生懸命やることは良いことですが、果たして上記のように言い切ってしまっていいものでしょうか。
若い時から仕事一筋で、休みの日も寝る時も、四六時中、頭の中は仕事仕事。
ここで、ちょっと立ち止まって辺りを見回すと、仕事以外に経験してないこと、知らないことがたくさん世の中に溢れているのではないでしょうか。
ということは、仕事に夢中になりすぎて、他の時間の過ごし方を知らないだけってことはないでしょうか。
あるいは、ただの食わず嫌いみたいなもので、仕事以外の選択肢をあえて除外しているのではないでしょうか。
仕事以外に夢中になれるもの
仕事以外にも夢中になれるもの、没頭できるものが一つや二つはありますでしょうか。
中小企業の事業承継が進まない要因の一つとして、経営者に仕事以外の楽しみがないことも関係しているのではないかと考えます。
社長業を終えて、後継者に会社を譲った後、あれもしたい、これもしたいと指折り数えることができたなら、もっと事業承継は促進されるのではないでしょうか。
もちろん、会社経営もやりがいがあって、大変なことがありつつも達成感があり、面白いことと思います。
でも、そうならば、そのやりがいや達成感、面白さを独り占めにしないで、次の世代の人にも体験させてあげたらどうでしょうか。
会社経営を次世代に譲って、自分は次のステージにステップアップするのです。
リタイアすることのマイナスイメージを自ら払拭する
「仕事がすべて」と思い込んでいる中小企業の経営者は、仕事が自分の価値や存在意義を形成しているとも思い込んでいます。
これまで、「○○会社代表取締役社長」や「会長」などの肩書がありました。
そのため、事業承継することにより、これらの肩書を失ってしまうことが心のどこかで怖いのです。
中小企業の経営者が「会社を去る」「退職する」といった言葉は、どこか後ろ向きなニュアンスが含まれています。
ここはやはり、退職後の目標、やりたいことを設定しておかないと、気持ちが前向きになれません。
若いときは憧れの先輩経営者を見て、自分もああなりたいと思うことがあるのではないでしょうか。
だったら、年を重ねても、誰かをモデルとして、自分もああなりたいと思う目標を持つことが大事です。
モデルがいなくても構いません。
なりたい自分をイメージして、それに向かって生きていくことが大事です。
リタイアすることで、会社を次世代に譲ることで、これまで仕事に費やしていた時間を自由に使うことができます。
そう考えますと、会社をリタイアする前から、あれもしたい、これもしたいと思っていれば、リタイアすることが待ち遠しくさえなってきます。
これからやりたいこと、目標があれば、前向きにリタイアすることができます。
仕事関係でない人と夢中になれるもの
男性経営者の趣味にゴルフをよく聞きます。
立派な趣味ですし、長く続けられるスポーツとして最適だと思います。
そのため、会社をリタイアしたら、ゴルフ三昧だと考える方もいます。
しかし、一つだけ考えてほしいのが、一緒にゴルフをする人達は仕事関係ではないでしょうか。
仕事関係で知り合った人の場合、自分が会社をリタイアしても、まだ現役の方もいます。
すると、予定がなかなか合わなかったり、仕事で忙しそうなのが羨ましく思えてきます。
このような状況は残念ですので、以前の仕事と関係なく、ゴルフを通じて知り合ったゴルフ仲間と楽しんでください。