ターゲットは誰ですか?
あなたの会社のターゲットは誰でしょうか?
あなたの会社のターゲットは誰でしょうか?と尋ねられて、即答できますでしょうか。
おそらく、多くの方が即答できることと思います。
それでは、重ねてもう一つお尋ねします。
「現在のお客様はターゲットと同じでしょうか?」
この質問では会社によって回答が分かれます。
もちろん、ターゲットがお客様になっている会社もあります。
それは会社経営において、正に狙い通りです。
一方、ターゲットにしていない人がお客様になっている会社もあります。
女性向けの商品・サービスのつもりなのに、男性からの問い合わせが多かったり、若者をターゲットにしたつもりなのに、年配の方から評判が良かったり、思いがけないニーズを見つけることがあります。
このような場合、以前に設定したターゲットをそのままにしていても良いのでしょうか?
女性向けの商品・サービスなので、男性客は断りますか?
若者をターゲットにしているので年配の方には販売しませんか?
そのように強気に顧客層を絞る戦略もあるのかもしれませんが、個人的にはお勧めしません。
それよりもターゲットを見直した方が、みんなハッピーだと思います。
売りたい人ではなく、買ってくれる人に照準を合わせる
先ほど設定していたターゲットは、あなたの会社にとって売りたい人です。
一方、お客様はあなたの会社の商品やサービスを買ってくれる人です。
買ってくれるお客様は、あなたの会社の商品やサービスを高く評価しているからこそ、「買う」という行動に移しています。
言い換えれば、商品やサービスの価値が伝わっている相手なのです。
ターゲットに商品やサービスの価値を伝えようとしたのに、ターゲット以外の人に伝わったのならば、その買ってくれる人をターゲットにすると、買ってくれそうな人に商品やサービスの価値がもっと伝わります。
当たり前の話なのですが、ターゲットと実際のお客様が乖離したまま放置されていないか、一度、確認したいところです。
また、当初、掲げたターゲットに基づいて、経営戦略が作られ、ホームページのデザインやチラシのキャッチコピー、商品のネーミングやパッケージなどにも影響しています。
そのため、ターゲットと実際のお客様がずれていることの損失は色々なところに影響します。
思い描くターゲットは同じイメージでしょうか?
あなたの会社のターゲットはどのように設定していますでしょうか。
20~60代の男性とか、30代女性とかでしょうか。
一見しますと、確かに年齢や性別で、お客様を絞っているように見えます。
しかし、20代と60代の男性の好みが同じとは限りませんし、家族構成も所得も異なります。
30代女性にしても既婚で共働きか、子育て真っ最中か、独身かによって、今、一番、興味関心を持っていることは変わってくるかもしれません。
先ほど、ターゲットと実際のお客様が異なると話しましたが、実際のお客様には何らかの共通項はないでしょうか。
おそらく、価値観とか、好みとか、何を大事にするか、といったようなことが共通項となり、年齢や性別などで十把一絡げに括ることはできないのではないでしょうか。
そのため、会社で何らかのターゲットを設定したとしても、そのターゲットから想起する具体的なお客様のイメージは従業員一人一人異なってきます。
実際にお客様と接する従業員は常連客の顔を思い浮かべますが、直接接する機会の少ない管理職はかつての常連客の顔か20代男性とか30代女性といった、平均化した具体性のない人を想像してしまいます。
すると、同じターゲットに向かって話し合っているつもりなのに、お互い思い描いているターゲットが異なるので、どこか話がうまくかみ合わなくなってしまいます。
お互いにどんな人をターゲットとしてイメージしているのか、事前に具体的なイメージを共有してからでないと販売促進や営業活動をしても、効果は出にくいことでしょう。