外部環境分析とは?
外部環境分析
外部環境分析とは、自社の経営環境のうち、自社以外の外部の要因を分析することです。
代表的な分析手法にPEST分析、業界環境分析、競争環境分析及び市場分析です。
各種分析手法から、外部環境において自社にとってチャンスとなる「機会」とリスクとなる「脅威」に区別して整理します。
どのような事象を「機会」とするか、「脅威」とするかは業種業界によって異なります。
例えば、少子化・高齢化という事象について、福祉業界は需要が増大するため「機会」と捉えますが、住宅業界は新築住宅の需要拡大が見込めないため「脅威」と捉えます。
外部環境分析の留意点
留意点は事象を一面的にとらえないことです。
教育業界を例にすると、少子化により子供の絶対数は減少しています。
しかし、両親や祖父母が教育資金を援助し、学習塾や英会話、スイミングスクールなどの習い事が盛況だったり、時間に余裕のあるシニア層が音楽や書道など、余暇を楽しむための〇〇教室に人気があったりします。
即ち、外部環境の変化に対応して、既存事業も変化すると「機会」になりますし、変化できないと「脅威」になります。
先ほどの例で言いますと、子供の教育に関しては、購買意思決定者は両親や祖父母なのですから、その人たちに教育のメリットを伝えなければなりません。
また、シニア層の〇〇教室に関しては、共通の趣味を通じたコミュニティ形成や精神的に豊かな生活のメリットを伝えなければなりません。
経営戦略の一つとして、一般的に「脅威」に分類される事象は多くの会社にとって「脅威」なのですから、視点を変えると競合他社の少ない「機会」と捉えることもできます。
分析結果に絶対的な答えはなく、競合他社の動向によって「機会」にも「脅威」にも変わるものです。
このように書きますと分析する意味があるのか疑問に持たれるかもしれませんが、客観的な情報をもとに主観的に判断することが経営だと思います。
また、完全な情報を手に入れることは不可能ですので、限られた情報の中から考え、考え、考え抜いて判断することが経営だと思います。