経験曲線効果とは?
経験曲線効果とは
経験曲線効果とは、製品の累積生産量が増加するに従い、製品1単位当たりの生産コストが一定割合で減少することです。
経験曲線効果の主な発生要因
①作業者の習熟度
作業者が特定の作業を繰り返すため、作業のコツをつかみ、効率的に作業を行うことができます。何事も「初めて」行うことよりも、「何度も」行うことの方が効率的に行えると考えます。
②作業方法の標準化
繰り返しの作業であるため、作業方法を標準化、マニュアル化することができます。
マニュアルが確立されますと、標準的な作業について「迷い」がなくなって効率的な作業が可能となるとともに、歩留まり率も向上します。
PPMと経験曲線効果
経験曲線効果が発揮される業種の場合、市場シェアの大きい会社は競合他社と比べて累積生産量も多く、単位当たり生産コストが低くなるため、利益率が高くなります。
利益率が高いため、より多くの資金を獲得できるものと考えられます。
この一連の考え方がPPMの前提となっています。
規模の経済と経験曲線効果の違い
規模の経済とは、生産規模の拡大により単位当たりの生産コストが低くなることをいいます。
経験曲線効果と生産コストが低くなる点で同じですが、その要因が「累積生産量」という積み上げられたものと「生産規模」というスケールの大きさという違いがあります。
簡単に言いますと規模の経済は大手の企業でないと大型の設備投資や大量仕入れによる原価低減はできませんが、経験曲線効果は中小企業でも特定の製品を繰り返し製造することで効果が得られます。