マグレガーのXY理論とは?
マグレガーのXY理論の概要
人がなぜ働くのかという考え方をX理論とY理論の二つに分ける考え方です。簡単に言いますと仕事に対してネガティブなのがX理論で、ポジティブなのがY理論です。
X理論
マズローの欲求5段階説における物質的欲求を比較的多く持つ人間をモデルとし、下記の3つを前提としたモデルです。
- 平均的人間は、生まれつき仕事が嫌いであり、できることなら仕事はしたくないと考えています。
- たいていの人間は強制・統制・命令・処罰に対する怖れがなければ、目的達成のためにきちんと働きません。
- 平均的人間は、命令されることを好み、責任を回避したがり、大望など抱かず、何よりもまず安全を望んでいます。
X理論に基づいた管理方法は、従業員に対し、仕事を細かく規定し、統制しなければならず、「アメとムチ」を適宜与えながらモチベーションを維持する必要があります。
Y理論
マズローの欲求5段階説における精神的欲求を比較的多く持つ人間をモデルとし、下記の6つを前提としたモデルです。
- 仕事で心身を使うのは、遊びや休息と同じように自然なことです。
- 外部からの統制や懲罰の脅威は、目標達成に向けて人を動かす唯一の手段ではありません。人は自分から進んで身を委ねた目標のために、自己管理・自己統制を発揮するものです。
- 目標達成に向けて努力するかどうかは、目標を達成すれば報酬次第です。報酬の中で最も意義が大きいのは、尊重の欲求と自己実現の欲求が充たされることです。
- 平均的人間は、適切な条件下では自ら進んで責任を取ろうとします。
- 多くの人はチームにおける問題解決にあたり、比較的高度の想像力や創意工夫の才能を発揮します。
- 現代社会において、平均的人間の知的能力は、ほんの一部分しか活用されていません。
Y理論に基づいた管理方法は、従業員を信頼して仕事を任せる手法が取られます。
また、従業員の自己実現の欲求と会社の経営ビジョンがリンクし、会社と従業員の間に協力的な関係がもたらされる可能性があります。
XY理論の留意点
X理論とY理論の内容を読むとY理論が理想的である一方、X理論は非人間的で実践できないように感じてしまうかもしれません。
しかし、マズローの欲求5段階説でいうところの物質的欲求が満たされていない状態でY理論に基づいた管理手法を採られても、モチベーション効果は期待できません。また、人命も脅かすような業務を行う場合に統制を個々の自主性に任せるのも危険ですので、X理論に基づいた管理も必要です。
現場の状況に応じてX理論とY理論を組み合わせて活用する必要があります。