有限会社C様
相談したきっかけ
5年前、社長である父親が会社をたたむと突然、家族に打ち明けました。
会社の業績に問題はなく、売上も順調に伸びていたにもかかわらずです。
突然のことなので家族会議を行い、二人の娘のうち、妹が社長に就任し、姉がサポートして社長を交代することにしました。
そこから5年間、会社経営のイロハも分からないまま、姉妹は協力しながらがむしゃらに頑張ってきました。
これまで従業員に給与を支払うこと、取引先に代金を支払うこと、借入金を返済すること、納税することなどに追われてきました。
やっと落ち着いて会社経営について考える時間が確保できるようになったので、今後の事業計画について相談したいとのことでした。
支援開始
決算書と申告書を拝見したところ、社長就任後5年経過しているにもかかわらず、株主は先代の社長のままでした。
つまり、C社は事業承継をしたつもりでしたが、株式(持分)の異動を伴っていないので、実質的な社長交代は行われていなかったのです。
すぐに株式(持分)を譲渡や贈与なので異動させても良いのですが、C社は債務超過だったため、急ぐ必要はありません。
そこで、会社の過去3期の決算書を社長と一緒に分析し、ここ3年間の業績を振り返りました。
会社の売上や利益は改善傾向にあるものの、社長はこれ以上、売上が増える余地がないように感じていました。
そのため、今後の展開を検討するために、中期経営計画の策定に取り掛かりました。
唐突な事業承継だったため、中期経営計画を策定することにより、経営理念や経営ビジョン、事業ドメインなどを改めて検討することができました。
検討した結果、従来の商圏にとらわれていると、人口減少により売上が減ってしまうので、都市部に進出することにしました。
元々、商品の品質は高く、お客様からの評判が良かったので、新規開拓の方法を一緒に検討しました。
資金に余裕がないため、積極的な出店や広告宣伝はできないため、ポップアップストアでお客様の反応を見ることにしました。
また、都市部に進出するにあたって、新たなブランドを起ち上げることにしました。
このような事業の方向性と売上予測、資金繰りなどを中期経営計画に整理し、先代の社長にプレゼンしました。
すると、是非、その中期経営計画の方向で進めてほしいとお墨付きを得ました。
その上で、先代の社長に5年前会社をたたもうと思った本音を伺ったところ、債務超過の会社を娘に継がせるのは申し訳ないとの気持ちからだったと伺うことができました。
今では二人娘が協力しながら仕事している姿が頼もしく見えて、嬉しいとのことでした。
支援継続中
ポップアップストアを活用した顧客の新規開拓や新ブランドの起ち上げについて、PDCAサイクルを回すお手伝いをしています。
KPIの設定や定期的な進捗状況の確認を行い、新たな課題に対する改善案の検討を支援しています。
また、株式(持分)の譲渡・贈与については、債務超過のうちに譲渡することになりました。
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