会社経営立て直しの処方箋
資金繰りが苦しい、売上が急減した、継続して営業赤字、債務超過など、会社の経営が苦しいとき、何から手を付けたら良いのか迷ってしまいます。本記事では、会社経営の立て直しに向けた方策を解説します。
会社経営の行き詰まり
公的機関や専門家に聞く
・公的機関は無料で相談できる
・専門家を活用する
金融機関に相談する
・メインバンクに相談する
・資金調達手段の多様化
早めに相談することが肝心
・早期発見、早期治療
・ギリギリになると選択肢が限られる
会社経営の行き詰まり
かつては売上が拡大し、従業員も積極的に採用し、拠点も拡大したりした会社も、経営環境の変化や競合他社の台頭、事業承継の失敗など、様々な理由により会社経営は苦しくなります。
一度、会社経営の歯車が狂い出すと、立て直すのは難しいもので、資金繰りを確保するために必要な投資まで縮小してしまい、徐々に競争力が失われ、さらに資金繰りが苦しくなる悪循環にハマってしまいます。
自社単独の経営改善ではどうにもならない時は、社外の力を借りながら思い切った改善・改革を行わない限り、成果は出ません。
公的機関や専門家に聞く
「餅は餅屋」ですので、会社の立て直しに関して、その道のプロに聞くのが一番です。
中小企業向けの事業再生の相談窓口を展開している団体・士業は多くありますので、まずは近くのプロに聞いてみましょう。
公的機関は無料で相談できる
中小企業に馴染みのある商工会議所・商工会に相談してみましょう。
商工会議所・商工会に相談して解決することもありますが、抜本的な会社の立て直しの場合は適切な機関を紹介してくれます。
例えば、中小企業活性化協議会(以下、協議会)です。
協議会は、これまでの中小企業再生支援協議会と経営改善支援センターが統合されました。
協議会では、事業再生に関する知識と経験とを有する専門家(金融機関出身者、公認会計士、税理士、弁護士、中小企業診断士など)が常駐しています。
協議会では、解決に向けた助言や支援施策・支援機関の紹介や再生計画の策定支援を実施しています。
専門家を活用する
インターネットで「事業再生 ○○」(○○の欄には会社の所在する地域)などで検索しますと、再生業務のサービスを展開している専門家(公認会計士、税理士、弁護士、コンサルタントなど)のホームページがヒットします。
そのような専門家に相談して、ご自身と相性の合う専門家を探しましょう。
なお、専門家の中には、再生業務に精通しておらず、破産を勧めたり、小手先の経営改善を勧めたりするケースもありますので、きちんと話を聞いてみて、信頼できるか判断しましょう。
金融機関に相談する
いきなり事業再生の公的機関や専門家に相談するほどではない、と思っている場合は、お付き合いのある金融機関の担当者に相談してみましょう。
あなたの会社のこれまでの経緯や現在の資金繰りなどを把握していますので、会社経営に関して相談する心理的ハードルは低くなります。
メインバンクに相談する
複数の金融機関とお付き合いしている場合は、メインバンク(借入残高が一番多い金融機関)に相談しましょう。
メインバンクとしてもあなたの会社が倒産して、貸付金(会社にとっては借入金)が回収できなくなると大問題ですので、一緒に改善策を考えてくれます。
メインバンクに事業再生の相談をすると信用不安が起こって、資金回収に走るのでは?と不安に思うかもしれません。
しかし、メインバンクは日頃の資金繰りをつかみ、毎期の決算書も確認していますので、あなたの会社の懐具合を把握しています。
そのため、事業再生の相談をする前から、あなたの会社は苦しい状況にあると知っていますので、慌てて資金回収に走ることは基本的にありません。
資金調達手段の多様化
メインバンクに相談する前に、予め準メイン行や下位行とお付き合いしておくことが肝心です。
資金調達する際にメインバンクから断られても、準メイン行に相談できることは非常に重要です。
つまり、一行取引は会社の危機に弱いので、複数行(3~4行)とお付き合いすることをお勧めします。
また、不動産などの担保提供資産がないときは、売掛金や棚卸資産を担保提供するABL(動産担保融資)などの手段もあります。
早めに相談することが肝心
会社経営の立て直しの相談は往々にして、ギリギリの状態になってからの相談が多いです。
ギリギリの状態になった会社の経営者は立て直しのため、専門家や金融機関と相談することが最優先事項となってしまい、本業に時間を割くことができません。
中小企業では社長が仕事しないと売上も利益も十分に稼げない、脆弱な組織も多いです。
残念ながら専門家や金融機関に相談することは短期的な利益獲得に直結しないので、事態はますます苦しくなっていきます。
早期発見、早期治療
ヒトの病気と同じように、会社の再生も早期発見、早期治療が大原則です。
売上高が減少した、営業赤字になった、金融機関にリスケジュールをお願いした、といった事象が起きた時に適切な改善を行えば、「会社再生」という大手術は不要になるかもしれません。
しかし、適切な改善を行わずに来年こそは、来年こそは、と経営努力をしても、従来事業の延長線上では、根本的な解決には至らず、事態は悪化してしまいます。
事業が停滞した段階で、専門家に診断してもらうことで適切な改善を行うことができますので、行き詰まる前に相談しましょう。
ギリギリになると選択肢が限られる
事業再生の専門家と言えども、ギリギリの状態になると提案できる選択肢が限られてしまう。
資金繰りもそうですが、経営者や従業員に諦めモードが蔓延してしまうと、専門家がどんな立派な再生計画を立案しても、現場で実行に移すことができません。
専門家としてもそのような会社から報酬を頂くのは難しいので、再生の可能性のない会社とは契約自体をお断りするケースもあります。
また、どの専門家が見ても「破産」が最適な選択肢となる場合もあります。
会社がたとえ倒産したとしても、あなたとあなたの会社の従業員の生活は続きます。
そのため、様々な選択肢を選ぶことができるように早め早めに相談しましょう。
専門家による無料相談受付中!