平成19年4月1日以後に取得した資産の減価償却限度額は?
1.平成19年4月1日以後に取得した資産の減価償却限度額
平成19年度税制改正により、平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産については1円まで償却することとなりました。
また、定率法の計算方法も改正され、250%定率法と呼ばれています。
なぜ、250%定率法と呼ばれているかといいますと、定額法の償却率の2.5倍、つまり250%で定率法の償却率が設定されているためです。詳細な償却率は下部を参照ください。
2.通常の償却方法
2-1.定額法
2-2.250%定率法
ただし、上記の金額が償却保証額に満たなくなった年分以後は、改定取得価額×改定償却率で計算します。
「償却保証額」「既償却額」「改定取得価額」「改定償却率」といった新しい言葉が色々出てきましたので、定義を整理しましょう。
「償却保証額」:減価償却資産の取得価額に耐用年数に応じた保証率を乗じて計算した金額です。
「既償却額」:前事業年度までに損金の額に算入された償却費の累積額です。
「改定取得価額」:調整前償却額が最初に償却保証額に満たなくなる事業年度の期首未償却残高です。
「改定償却率」:通常の償却費が償却保証額に満たなくなった年以後に改定取得価額に乗じる率です。
3.定額法の計算例
定額法の設例は以下のとおりです。
旧定額法と異なり、耐用年数10年できっちりと償却が完了します。
4.250%定率法の計算例
250%定率法の設例は以下のとおりです。
旧定率法と異なり、耐用年数10年できっちりと償却が完了します。
下記の設例では8年目から改定取得価額 × 改定償却率で計算しますので、8年目と9年目は同じ金額となります。
定率法なのですが、耐用年数の終盤に近づきますと定額になります。
また、10年目は計算上、8年目と同じく4,458,362円となりますが、未償却残高が4,431,665円しかありませんので、残存価額1円を残した4,431,664円を償却費とします。
5.償却率表
定額法及び250%定率法の償却率は以下のとおりです。