親の会社を継ぐ前にやっておきたいこと
親の会社を継ぐことが決まっている。しかし、今、どのような準備をしたら良いか分からないという方が多くいます。そこで、本記事では、親の会社を継ぐことが決まっている後継者がやっておきたいことを解説いたします。
親の会社で働いているか否かで後継者の準備は変わる
親の会社で働いている後継者の準備すべきこと
同業他社で修行すると
異業種で修行すると
他社で勤務した後、親の会社で働いている後継者の準備すること
すでに会社役員として経営に参画している後継者の準備すること
これまで親の会社で働いたことがない後継者の準備すること
後継者塾やセミナーに参加する
親の会社で働いているか否かで後継者の準備は変わる
後継者が親の会社で働いていると、親の仕事ぶりを間近で見ることができますので、会社の理解は早いでしょう。
一方、親の会社で働いたことがないと、親の会社の業務内容はぼんやりとしたイメージしか湧きません。
すると、自分が社長になった時のイメージもわかないので、親の会社で働いていない時、後継者と言われてもピンとこないのではないでしょうか。
だからといって、後継者は親の会社で働いていれば十分な準備ができるわけでもないので、それぞれの場合について解説いたします。
親の会社で働いている後継者の準備すべきこと
親の会社で少なくとも1年間、働きますと、会社のビジネスを何となく理解できるのではないでしょうか。
そのため、3年5年と経験を積むことによって、会社の理解はより深まります。
しかし、社会人としての経験が親の会社しかない方は一度、他社修行することをお勧めします。
親の会社しか知らないと、会社組織の動かし方の事例を一社しか知ることができません。
そこで、他社修行すると親の会社とは違った組織運営の仕方を体験でき、親の会社をより客観的に見ることができるようになります。
同業他社で修行すると
修行先の会社について、相談を受けますが、同業でも異業種でも、どちらでも構わないと私は考えます。
同業であれば、業界特有の事情に詳しくなり、業界・業種に対する見識が深まります。
業界の先進的な会社で経験を積めば、親の会社を継いだ時に「こんな会社にしたい」という目標が明確になります。
異業種で修行すると
異業種であれば、業界が違うので専門知識は直接的に役立たないかもしれません。
しかし、異業種で経験を積むことによって、親の会社の業界の常識にとらわれない発想で経営に取り組むことができます。
事業承継の事例ではありませんが、例えば、農業生産法人GRAという会社は、代表がITベンチャー出身で、農家さんの技術とITを組み合わせることによって、今までになかった農業を実現しています。
つまり、異業種で経験することによって、業界の常識にとらわれない経営を行うことができ、現状を打破する可能性があります。
他社で勤務した後、親の会社で働いている後継者の準備すること
他社での勤務経験もあり、すでに親の会社で働いている方は、会社のビジネスや仕事の基本などは身についていると思います。
そのような方は、自社の中期経営計画を作ってみましょう。
中期経営計画を作る際に、ドメインの設定やクロスSWOT分析などを通じて、自社にはどんな強みがあり、今後、どのような会社にしていきたいかを体系的に整理することができます。
自力で作ることが難しいときは、是非、専門家の力を借りて作ってみてください。
計画を作り、実際に実行することは会社経営そのものです。
そのため、後継者の立場でできる範囲で計画を作り実行し、反省して、改善することを繰り返していけば、経営者としての準備はかなり進んでいます。
すでに会社役員として経営に参画している後継者の準備すること
すでに取締役などとして、会社の経営に参画している後継者は、これまで社長しかやっていない業務を引き継ぐ準備が必要です。
具体的には、金融機関との交渉や顧問税理士との決算打合せ、従業員の採用や人事評価、大規模な投資意思決定などです。
これらの業務は、いつも、最後に社長の承認を得てから実行されますが、社長交代後は、後継者が最終責任者として意思決定しなければなりません。
そこで、後継者の立場のうちに親から権限を委譲してもらい、できる限り自分の責任で意思決定する経験を積むことが大事です。
万が一、後継者が経営判断を誤ったとしても、社長と一緒に立て直すことができますので、後継者の立場である時期というのがポイントです。
これまで親の会社で働いたことがない後継者の準備すること
現在、親の会社で働いていませんので、他社修行中の状態です。
目の前の仕事に日々追われていると思いますが、親の会社の事業とは異なり、かつ、経営層でもないので、会社を継ぐことに不安を感じるかもしれません。
しかし、そのような立場は親の会社を客観的に見ることができる貴重な時間です。
業界の常識にとらわれない目で、親の会社と業界他社を比較したり、お客様の視点で親の会社の商品やサービスを評価したりすることができます。
この時に気付いたことは、将来、改善すべき事項ですので、後継者としての準備の一つとなります。
後継者塾やセミナーに参加する
会社員として仕事をしていると、経営者の仕事ってなんだか難しそうと感じてしまいがちです。
社長の仕事という具体的に想像できないものは後継者を不安にさせてしまいます。
そこで、後継者塾やセミナーなどに参加してみてください。
一度、広く浅く勉強することで、経営者としてどういった分野を身につける必要があるのか明確になります。
また、他社修行中の身ですので、もし、自分が今勤務している会社の社長だったら、どのような経営判断をするかをイメージトレーニングすることも大事です。
イメージトレーニングした自分なりの経営判断を同僚などに雑談で披露してみると、思わぬ指摘が入ります。
後継者が自分の頭で考え、発表し、フィードバックをもらうことを繰り返すと、徐々に思考回路が経営者に近づいてきます。
親の会社に入社する前にもできることはたくさんありますので、自分に合った方法を見つけてください。
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