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【注意】借入金を減らしてから社長交代はできないかも?

親心として、子供に会社を継がせるにあたって、なるべく借入金を減らした状態で継がせたいものです。しかしながら、残念なことに多くの企業では、借入金を減らせず、社長交代も進まないジレンマに陥っています。本記事では、借入金を減らしたい親心と事業承継の実態について解説いたします。

負債を次の代に背負わせたくない

会社における負債、代表的なものが借入金です。

経営者として、自分のつくった借入金はできるだけ返済した上で次の代につなげたいものです。

しかし、これは現社長の一方的な思いです。
後継者は借入金がいくらまで減ったら承継する、いくら以上残っていたら承継しないなどとは考えていません。

借入金を思い通りに減らせるのなら苦労しない

社長交代・事業承継するにあたって、借入金が気になる場合、きっと会社の財政状態はあまり良くないことでしょう。

借入金が多く残っているのは、当たり前ですが、社長がこれまで会社を経営してきた結果に他なりません。

その社長が放漫経営して、怠慢した結果、作った借入金であれば、健全な経営をすれば、借入金を減らせるでしょう。

しかし、多くの社長はその時その時、一生懸命に会社経営した結果、仕方なく借入金が増えてしまったのです。

そのため、現社長がこれから経営改善に注力しても借入金を減らせる可能性はかなり低いのです。

利益を獲得して借入金を返済する

売上高を増やしたり、コスト削減したりして、利益を増やす。

その利益を原資として借入金を返済する。

これは理想的ですが、実現するのは最も難しいです。

資産を換金して借入金を返済する

遊休設備や遊休不動産、投資有価証券などを売却して返済資金に充てます。

あるいは、保険を解約して返済資金に充てます。

何か売却できるもの換金できるものがないかなと資産項目を見渡して、少しでも借入金を減らします。

借換して利息負担を軽くする

借入金の元本は減りませんが、より低利率で借換できますと、中長期的に利息負担が軽くなります。

利息負担が軽くなった分、返済原資が手元に残りやすくなります。

借入金の返済は後継者に任せる

一見すると無責任に思えるかもしれませんが、社長交代・事業承継を考える際には、借入金の返済は後継者に任せてしまいましょう。

なぜなら、現社長の経営判断の優先項目として「借入金の返済」が上位に来てしまうと、無難な経営判断に終始してしまい、時代の流れに取り残されてしまいます。

若手経営者の方が利益を増やせる可能性が高い

利益というリターンを得るためには、リスクも取らなければなりません。

若手経営者は経験が少ないが故に、リスクを果敢にとってチャレンジすることができます。

チャレンジしないことには、過去実績以上の利益を獲得することはできません。

すなわち、社長交代を進めて経営者が若返ることで会社は利益を獲得しやすくなり、返済原資を確保しやすくなります。

借入金を減らしたい経営者に果敢な投資はできない

DX、AI、IoTなどなど、世の中の技術の進歩は目覚ましいものです。

しかし、借入金を減らしたい経営者は最先端の技術に対して投資することができません。

そうすると、どんどん競合他社と比べて競争力が年々劣ってしまい、利益を確保することが難しくなります。

利益の出ない会社は投資を縮小し、さらに利益が出なくなるという悪循環に陥ってしまうと、そこから抜け出すのは困難です。

借入金がさらに増える前に後継者に関与してもらう

後継者の立場に立つと、親のつくった借入金は歓迎するものではありません。

しかし、社長交代・事業承継するのならば、会社の借入金をこれ以上、増やしてほしくないです。

また、今後、後継者は返済していく立場なので、後継者候補の段階から会社の経営に関与する権利があります。

借入金を返済する後継者が会社の将来を決める

現在の会社の借入金はあと何年で返済できそうでしょうか。

もし、10年、20年と長期の場合、当該借入金を完済するときは、後継者が社長になっていることでしょう。

ということは、これから10年20年の会社の将来に対して、後継者が主体的に経営していくのです。

そのため、後継者が会社を継いでくれる意思と覚悟があるのならば、早い段階から後継者を会社経営に関与させましょう。
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