後継者育成の専門家の選び方
後継者育成の専門家って、どうやって選べば良いのか。その判断基準を本記事では解説いたします。
そもそも後継者育成って社内でするものでは?
我が社の後継者だから、社内で育成するものと思っていませんか?
しかし、いざ、後継者を育成しようと思ったら、何から教えたら良いのか良く分かりません。
また、ただでさえ毎日忙しくしているのに、後継者を育成する時間的余裕もありません。
しかも、家族経営の会社であったら、後継者育成のつもりが、ただの親子げんかに発展してしまうこともしばしばです。
現社長もちゃんと教えてもらっていない
実は、現社長も社長の仕事をきちんと教えてもらったことのない方が大半です。
創業社長は当然にしても、二代目三代目の社長であっても、同じです。
そのため、事業承継・社長交代に際して、後継者にはとりあえず現場を経験させて、育成することが多いのではないでしょうか。
確かに、現場の経験は欠かせませんので、後継者育成の一要素であります。
しかし、経営者として求められる決算書の見方や経営戦略などはなかなか教えられません。
現社長自身、自己流でやってきたもの、感覚でやってきたものをどのように後継者に伝えていけば良いのか、多くの方が悩まれています。
後継者育成の専門家の活用
後継者育成の専門家は社外の人間ですので、あなたの会社の業種・業界のプロではありません。
そのため技術的なものを教える専門家でもありません。
では、後継者育成の専門家は何をしてくれるのか?
具体的には、後継者のコーチングです。
後継者は今後、会社をどうしていきたいのか。
後継者は現在、どんな悩みを抱えているのか。
このような後継者の本音に寄り添いながら、後継者が経営者として成長していくことをサポートします。
なお、決算書の見方や会社経営に関する情報はインターネットでも書籍でも簡単に手に入ります。
しかし、それらの情報を自分の知識としたうえで、知恵にしていくためには専門家のサポートがないとなかなか進みません。
後継者育成の専門家は後継者に経営者として必要な知識を順番に提供しながら、一歩ずつ着実に成長できるようコーチします。
後継者育成の専門家の選び方
多くの中小企業では事業承継の相談を顧問税理士にしています。
その顧問税理士は自社株評価、相続税や贈与税、事業承継税制など、税金に関するアドバイスがメインです。
率直に言いますと、ちゃんとした税理士であれば、税法に則って適切に処理しますので、税金対策に対する成果に大差ありません。
しかし、あなたの会社がこれからも成長発展していくためには、一時的な納税額よりも、頼れる後継者によって会社を経営していくことの方がよっぽど大事です。
そのため、後継者育成の専門家を選ぶ際には以下の点に注意しましょう。
- 現社長と後継者の本音を引き出してくれるか
- 短期的な利益ではなく中長期の視点でアドバイスがあるか
- 後継者育成に関する実績
- その専門家の得意分野は何か
- 数字に表れない人間関係にも配慮があるか